10数年ぶりに感慨深い場所へ!
2013年 12月 30日
年末のこの日、10数年ぶりにかつての師・保田義孝先生の御宅へ!
諸事情により遠ざかった先生のアトリエ、そして諸事情により10数年ぶりに伺う事になったこの日、色んな意味で少し緊張しました。(笑)
洋画家・元日展委員の故・保田善作先生が建て使っていたこのアトリエは、もともとアトリエとして設計された為に直射日光があたらない北向きでして、高い場所にある窓からやわらかな自然光を取り入れる事のできる広々とした空間です。
昔、僕も一枝先生もこのアトリエにて色んな事を学んでました。
特に僕にとっては、昔このアトリエに一歩足を踏み入れた事がきっかけで絵の世界に入る事になったわけでして、そういった意味でとても感慨深い場所です。
あの頃壁面に飾られていた大作の多くがすでに売れてなくなってましたが、そのかわり初めて目にする作品もいくつかありました。
制作途中の作品もたくさんありましたが、実は来年の秋に銀座にて2年ぶりの個展を開催するらしく、現在作品を描きためているところだそうです。
今回のアトリエと作品の撮影掲載は保田先生から許可を得て行っています。
実は個展にて発表予定の未発表作が数点完成していまして、1枚1枚用いた技法等も含めて解説してもらったのですが、それらの作品はあえてブログには掲載しないでおきます。
壁面に飾られていた1枚。
保田先生93年の作品『錆びたドラム缶』です。
色鉛筆で描かれたこの作品が、後に保田先生が色鉛筆画の世界に身を投じるけっかけとなった絵でして、作品発表から今日に至まで手放す事無く手元に残してます。
数ある作品の中で、やはりこの1枚は異彩を放ってました。
初めて観た時の事を思い出します。
その他にも作品を見せて頂きました。
手前に立て掛けてある『二艘の船』は、僕が初めてアトリエにおじゃました10数年前に壁面に飾られてた作品のひとつ!
僕も一枝先生も保田先生の話を聞きながらいつも壁面に飾られてたこの作品を眺めてました。
保田先生は色鉛筆を主とした作品制作は来年の個展で区切りをつけるらしく、そしてこの『二艘の船』を僕に譲って下さるそうですが、恐縮するような申し出、「はい。有り難うございます」と頂くわけにもいきませんよね。(苦笑)
こちらも現在制作中の1枚!
実は昔、保田先生のアトリエに同じモチーフで描かれた50号サイズの完成作があったのですが、それはその後塗りつぶしたとか。
完成した後、数年間作品を眺めていたところ不満が出て来た為だそうです。
そしてまっさらな画用紙に新たに描き始めたそうですが、今回は画風も技法もあの頃の作品とは異なり、そして塗込みも深かったです。
この日の出来事(会話)をあまり事細かく書くと長くなるのでこの辺で!
結論から言うと、僕はこの日保田先生を尋ねて良かったです。
僕が初めて保田先生のアトリエにおじゃまし絵と出会った時の気持ちを取り戻し、良い意味で初心に帰りました。
保田先生からも温かい言葉を頂き、今はそんな恩師の気持ちも背負って作品制作に励まないといけないという新鮮な気持ちです。
来年銀座で開催される個展には僕も行く予定です。
そして保田先生のオゴリで銀座で一杯やる予定です。(笑)
10年以上前に保田義孝先生が佐伯市へ帰郷し、そこで植えたいくつかの種が僕であったり一枝先生だったわけでして、その後先生の元から独立した一枝先生が主宰する『アトリエピースブランチ』という花が咲きました。
僕はその花を枯らさない為の水のような役割を今後も担えればと思ってます。
と同時に、いつか恩師に吉報を届けれるようもっと精進していく所存です。
改めて思う事、それは僕は幸せものだという事!
帰り際、この10年間に制作した作品のポストカード数枚を頂いて帰りました。
また時々アトリエを尋ねようと思います。
本日も御覧頂きありがとう感謝いたします!!
by peacebranch
| 2013-12-30 18:58